Re:「インターネット哲学」 2002/07/10臨時号 ※インターネット哲学の発行が停滞しているため今回も臨時号としてインターネッ ※ト哲学とは直接関係のない内容で発行します。ご容赦下さい。 ★★★★★★はじめに(新規登録の皆様へ)★★★★★★  皆様始めまして。b_51と申します。  このマガジンは諸野脇正氏のメールマガジン「インターネット哲学【ネット社会 の謎を解く】」(マガジンID:0000075412、 登録アドレス:http://www.mag2.com/m/0000075412.htm)への返信という形態を採っ て氏の意見に対する個人的な見解などを書いて行きたいと思います。 一応引用の形である程度氏のマガジンの文章は含めますが、大規模に引用しても見 づらくなるだけですので最低限の引用しか行いません。 ですから、基本的には前記のマガジンも購読している方を対象とします。 と言うことで先に本マガジンを知った方は諸野脇正氏の「インターネット哲学」も ご購読してくださるようお願いいたします。  それから発行周期は基本的に元になる「インターネット哲学」に準じますが、特 に意見がない場合や私の個人的事情(本業が忙しいなど)によっては複数の号にま とめて意見する場合もあるでしょうし飛ぶ場合もあると思いますので、不定期発行 であることをあらかじめご了承下さい。  なお、このメルマガの内容は非営利目的(有料媒体でもそれが利益を上げること を目的としていないもの−例えば印刷や配布の手数料のみで販売しているようなも のは非営利と見なします)なら基本的に転載自由ですが、転載する際には記事の出 典を明確にしてください。 (このマガジンでの引用形態のような感じなら全く問題無しです) 営利目的の場合はケースバイケースですので必ず事前に連絡下さい。  最後にわざわざ断らなくてもお分かりだとは思いますが、このマガジンはあくま で私b_51が勝手に発行しているものですので、諸野脇正氏とは直接関係ありません。 ですので氏にこのマガジンについての問い合わせなどを送ることはおやめ下さい。 ※本マガジンの登録解除方法と私の連絡先などは最後に書いてあります。 ※なお、今回は臨時号のためインターネット哲学への返信ではなくなっています※ ※(今回はコラムのみです)                       ※ ★★★★★★姉妹マガジンの宣伝★★★★★★  宮崎駿氏の「風の谷のナウシカ」原作コミックを読んだ人の多くは「この終わり 方は無いんじゃないの?」と感じるようです。 連載自体が途中で度々中断し、かなり長い時間をかけて書かれたので最初の頃と宮 崎氏自身の考えが変わっているというのもあるでしょうし、後半はかなり思想的/ 哲学的な内容になってきているため、方向性を見失いかけて無理矢理完結させたと いう感も否めません。  そこで、宮崎氏自身はまず確実に書かないであろう続編ストーリーを私なりに書 いて行く小説「続・風の谷のナウシカ−夜明けの鳥」を是非読んでみて下さい! 原作の終わり方に疑問を感じた方の「もやもや」を解消する一助になれば幸いです。 原作を読んだことのない方も、この機会に原作を読んで、ついでに私の小説も読ん でいただけると大変嬉しいです。 登録やバックナンバー参照は以下のURLから! http://b-51.hp.infoseek.co.jp/magazine.html#nausicaa (まぐまぐでマガジンID:0000081232を検索していただいても登録できます) ★★★★★★コラム★★★★★★  ここには基本的にメルマガ「インターネット哲学」とは関係のない、私自身の思 いついた哲学的/政治的/思想的なネタを書いて行きます。 今回は臨時号としてコラムだけでお届けしますので、2本建てです。 ☆規則や罰則だけで人はコントロールできるのか?  人をコントロールするには飴と鞭(むち)がよく使われます。 つまり、何らかの見返りを提供して誘導する方法と、罰則(規則に伴う)を設けて 脅迫する(というと言い方は悪いですが脅すことですね)という方法です。 現在の法律などは基本的に鞭の方で、飴は優遇税制や表彰などの奨励と言った形で 使われる場合がほとんどです。 今回はこのうち、鞭の使い方についてです。  鞭=罰にはそれに対応した規則が不可欠です。 規則を定めてそれから逸脱した行動を取った者に罰を与えるという方法ですね。 そして、管理者が意図する状態を維持するためには規則が細かく多様になり、罰は 強化されるのが一般的です。 例えば、ポイ捨て禁止条例の制定とか、駐車違反の罰則強化とか、パスワードの最 低文字数を増やしたり数字だけ/英字だけでなく双方を組み合わせていないとダメ だったり。 (最後の例は対応する罰が無いように見えますが、基準をクリアしないと「登録で きない」という罰が存在すると見なすことで画一的に扱えます)  しかし、規則の細分化や罰則の強化はある程度までは効果が高いのですが、万能 ではありません。 まず、規則を細分化すればその分監視を強化する必要が出てきます。 例えば、ポイ捨て禁止条例を制定したところで、ポイ捨てを監視する人が誰もいな ければ防止効果は0に近くなるでしょう。 (実際既に制定した自治体でもそれほど効果があるようには思えませんし)  つぎに、罰則があまりにも厳しいと反発が生まれます。 昔の農民一揆などが典型的な例ですが、あまりにも条件が厳しいパスワードは覚え きれずに紙に書いてしまうとか、駐車違反を厳重に取り締まった結果、鍵を預かっ て一定時間ごとに車をちょっとずつうごかす商売が生まれたりするのも反発の一種 でしょう。 また、あまりにも厳しい罰則だと自暴自棄を招くという可能性もあります。 例えば、パンを一つ盗んだだけで死刑だとしたら、逃走中に殺人を犯しても罪は変 わらないと言うことになってしまいますね。  では、どうしたら良いのでしょうか? 規則を細分化したり罰則を強化したりするだけではなく、「規則を守りやすく」す れば良いのです。 ポイ捨て禁止条例を定めるなら、ゴミが多くすてられるところにゴミ箱を設置する ことも考える。 駐車違反を厳しく取り締まるなら邪魔にならない場所にパーキングメータを設ける なり、駐車場を設けるなりする。 パスワードの制限を厳しくするのはやめて、ユーザに乱数表を配布する(JNBの第 二暗証とかがこのタイプですね)ようにしたりバイオメトリクス認証を組み合わせ たりする。※1まあ、このような対処は大抵コストがかかりますが、結局それで管 理が容易になるのなら安いものでしょう。※2 ※1バイオメトリクス認証(指紋など人体特徴を利用した認証システム)はパスワー ドの代わりにはなりません。 IDなどの代わりにしたりパスワードと併用する利用方法が賢明でしょう。 この辺の詳しいことはWebページで取り上げています。 http://b-51.hp.infoseek.co.jp/etc02.html#20020521 ※2例えば路上駐車の取り締まりに1人の警官が常に張り付いていないといけない とします。 その場合、1年間の費用は警官の年収と必要経費ですから500万円は下らないと 思われます。 駐車場の建築(駐車場ビルや地下駐車場だとして)に10億かかるとしても20年 でペイできます。 さらに無人管理なら利用料を格安に設定しても維持費(照明/入出庫システム用の 電気代や消耗品代等が主でしょうか)は充分賄えるでしょう。 ☆メールかTELか?  最近は携帯メールの普及もあって、特に若い世代では電話で直接話すのではなく 全ての用件をメールでやりとりするということも多いようですね。 逆に年輩の方からすると、どうもメールはあくまで電話の補足みたいな物のようで す。(つまりFAXの代わりですかね)  しかし、メールと電話ではそれぞれ異なる特徴があります。 実際にはそう言った特徴を上手く生かしてこそ、最大の機能性を発揮するというも のでしょう。 この辺を誤解している方も多いようです。  まず、年輩層(と言っても会社の部課長クラスという程度です)ですが、余り大 したことのない要件をメールで送ったりすると「そんなことは電話で話した方が早 いだろう」と言われたり、こちらがメールで送っているのに電話で回答をよこす場 合が多々あります。 (さすがに最近は減ってきましたが電話で「**に付いてメール送りましたから」 とわざわざ知らせている人も結構いましたね) この辺の心理を分析すると、年輩層にとっての連絡手段は未だに電話が主体なんで すね。 で、電話では出来ないことのみ(同時に多数の相手に連絡するとか添付ファイルを 送るとか相手が不在の時に用件を伝達しておくとか)メールで行うという考え方で す。  しかし、メールの最大の利点は「相手に割り込みをかけない」と言うことだと私 は思います。 つまり、電話だと何か作業をしているときにかかってくれば当然作業を中断せざる を得ない訳ですね。 メールなら作業が一段落した時に確認して返事をするということが可能です。  ですから、「大した用事じゃない」(急ぎの用事ではない)からこそメールなわけ です。 この辺を理解していない方は結構多いですね。 相手の仕事の邪魔をしないためには、極力急ぎでない用件はメールで送るようにし た方が良いのではないかと思います。  メールの利点としては他に「文章であるために正確に用件を伝達できる」という 点も挙げられますが、この辺りは年輩層にも大体浸透しているようですね。  次に若年層(高校生/大学生とか)ですが、こちらは逆に何でもメールで片づけ るという傾向があるようです。 これは携帯メールの普及による効果みたいですね。 待ち合わせに「ちょっと遅れそう」とか言うのもメールですし、メールの返事は数 分以内に送らないとダメとか言う人も多いようです。 メールと言うよりもどちらかというと「チャット」感覚ですね。  この辺は携帯のメールがほぼ確実に即刻届くという点が基盤になっていると思わ れます。(まあ最近はインターネットメールでもそうですがね) しかし、本来メールという物は遅延があり得る物です。 携帯でもキャリアが異なればその間はインターネット網と言うことになるのでしょ うから、充分遅延の可能性はありますし、同一キャリア内であっても、各キャリア はメールが即時に届くと言うことは保証していないでしょう。 さらに、都合良く配信自体が即時に行われたとしても、メールの着信に気付かない という可能性もあるでしょう。 (電話呼出なら出るまで鳴らしたり何度もかけ直したりすれば良いことですが、メ ールでは一度呼び出し音が鳴ってそれっきりですから) 相手がPCユーザならインターネットに繋いでメールのダウンロードをしなければ いけませんしね。  こういった特徴を考えると、やはり急ぎの要件では電話をすべきでしょう。 それからメールの返事が即帰ってくることを期待するのは先に挙げたメールの利点 である「割り込まない」という点を無に帰してしまいます。  と言うことで整理しましょう。 メールを使うべき用件: ・急ぎでない ・正確な情報を伝達したい ・同時に多人数に情報を伝えたい電話を使うべき用件: ・急ぎである ・細かい調整が必要な用件(細々とした意見交換が必要な場合など) 大体こんなところではないかと思います。  他にも周囲に内容を悟られないで(又は声を出して周囲に迷惑をかけないで)用 件を伝達するという目的ならどんな用件でもメールを使うべきでしょうし、 記録を残したくないような内容(MicroSoftの独禁法裁判ではメールの記録が証拠と なりましたね)ならどんな用件でも電話を使うべきでしょうかね。  結局のところ、道具はやはり使い方次第です。 きちんとその特徴を理解して使いましょう。 ★★★★★★あとがき★★★★★★  最後まで読んでいただいてありがとうございます。 登録の解除は http://b-51.hp.infoseek.co.jp/magazine.html#philosophy の解除フォームを使うか http://www.mag2.com/ で本誌のID「0000087123」を検索して解除してください。 では、今後ともよろしくお願いいたします。 ************************************************************************** 発行者:b_51 発行システム:http://www.mag2.com/ マガジンID:0000087123 ご意見/ご感想などはお気軽に http://b-51.hp.infoseek.co.jp/ の「掲示板」か mailto:b_51_@anet.ne.jp へお願いします。 **************************************************************************