Re:「インターネット哲学」 2002/09/24号 ★★★★★★はじめに(新規登録の皆様へ)★★★★★★  皆様始めまして。b_51と申します。  このマガジンは諸野脇正氏のメールマガジン「インターネット哲学【ネット社会 の謎を解く】」(マガジンID:0000075412、 登録アドレス:http://www.mag2.com/m/0000075412.htm)への返信という形態を採っ て氏の意見に対する個人的な見解などを書いて行きたいと思います。 一応引用の形である程度氏のマガジンの文章は含めますが、大規模に引用しても見 づらくなるだけですので最低限の引用しか行いません。 ですから、基本的には前記のマガジンも購読している方を対象とします。 と言うことで先に本マガジンを知った方は諸野脇正氏の「インターネット哲学」も ご購読してくださるようお願いいたします。  それから発行周期は基本的に元になる「インターネット哲学」に準じますが、特 に意見がない場合や私の個人的事情(本業が忙しいなど)によっては複数の号にま とめて意見する場合もあるでしょうし飛ぶ場合もあると思いますので、不定期発行 であることをあらかじめご了承下さい。  なお、このメルマガの内容は非営利目的(有料媒体でもそれが利益を上げること を目的としていないもの−例えば印刷や配布の手数料のみで販売しているようなも のは非営利と見なします)なら基本的に転載自由ですが、転載する際には記事の出 典を明確にしてください。 (このマガジンでの引用形態のような感じなら全く問題無しです) 営利目的の場合はケースバイケースですので必ず事前に連絡下さい。  最後にわざわざ断らなくてもお分かりだとは思いますが、このマガジンはあくま で私b_51が勝手に発行しているものですので、諸野脇正氏とは直接関係ありません。 ですので氏にこのマガジンについての問い合わせなどを送ることはおやめ下さい。 ※本マガジンの登録解除方法と私の連絡先などは最後に書いてあります。 ★★★★★★姉妹マガジンの宣伝★★★★★★  宮崎駿氏の「風の谷のナウシカ」原作コミックを読んだ人の多くは「この終わり 方は無いんじゃないの?」と感じるようです。  そこで、宮崎氏自身はまず確実に書かないであろう続編ストーリーを私なりに書 いて行く小説「続・風の谷のナウシカ−夜明けの鳥」を是非読んでみて下さい! 原作の終わり方に疑問を感じた方の「もやもや」を解消する一助になれば幸いです。 登録やバックナンバー参照は以下のURLから! http://b-51.hp.infoseek.co.jp/magazine.html#nausicaa (まぐまぐでマガジンID:0000081232を検索していただいても登録できます) ★★★Re:リンクに許可は必要か 2★★★ #このブロックで引用マーク(>)が行頭に付いている部分は特にことわりがない限 #りメルマガ「インターネット哲学」からの引用です 今回はi哲学31号(2002/09/23)の『リンクに許可は必要か 2』に関しての意見を お送りいたします。 > 読者の皆さんには、ご迷惑をおかけしました。特に、b_51 さんにはご迷惑を >おかけしました。申し訳ありませんでした。  わざわざ謝っていただいて恐縮です。 実を言うと、私の方も6月に子供が産まれたり、本業の方が忙しかったりでメルマ ガどころではなかったので、助かったりしていました。(^^;  では本題です。 > 利用者参加型の検索サイトの立ちあげに関わったことがある。  ・  ・  ・ > つまり、〈登録者がリンクの許可を取れ〉というのである。ホームページを登 >録する前に、〈推薦するホームページの作者から許可を取らなければいけない〉 >というのである。  確かにこれは問題ですね。 検索サイトならある程度は量が集まらないと話になりませんから。 >┌──────────────────────────────────┐ >│ 訴訟問題に発展しても知りませんよ。                │ >└──────────────────────────────────┘ > > ……。 > そんなものに「発展」しません。  発展する可能性も0とは言えません。 例えば、以下の記事(HotWired)を読んでみて下さい。 http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20020625106.html 要約すると、「米ナショナル・パブリック・ラジオという非営利組織が自サイトへ のリンクに許可が必要だというポリシーを掲げ、それに反した物には法的手段を取 る場合もあるという事を言いだし、それに対して波紋が広がっている」というよう な内容です。 訴訟先進国の米国でお抱え弁護士のいる組織がこういうことを言う場合もあるので す。ですから、無断リンクが訴訟に発展しない保証はどこにもありません。  ちなみに、私の私見としてはもし訴訟に至ったとしてもまず勝てる(無断リンク は問題無しという判決が下る)とは思います。 しかし、巨大企業相手に訴訟になったら個人としては負担が大きすぎますから、大 企業/組織から「訴訟を起こすぞ」という脅しとして使われる可能性は充分ありま す。 ハイパーリンクに今頃になってから特許権を主張するような企業だってあるくらい ですしね。 >┌──────────────────────────────────┐ >│ ある規則を作った場合、社会にどういう影響がもたらされるかを考えよ │ >│う。                                │ >│ インターネット社会が発展するように規則を作ろう。         │ >└──────────────────────────────────┘  この点は基本的に同感です。 ただ、比較的新しいインターネット社会では、そこに希望する将来像がかなり異な ることも事実です。 例えば、匿名性を挙げてみましょう。 インターネットでは匿名性を保護すべきだという意見の人と、犯罪の温床になるた め匿名性は排除すべきだという意見の人がいます。 それぞれの意見には実際納得する部分が多いですが、両立は難しい問題です。  リンク許可に関しても同様で、上記のようで無断リンクは権利の侵害だと捕らえ る人も少なくはないのです。 > また、それを望まない者は、自ら「リンク禁止」を明示すればよい。そして、 >リンクを張る側は、そのような表示がある場合に注意すればよい。そうすれば、 >大きな被害を受ける人は存在しなくなる。  と言うことで、私もこの意見に収束するのがベストかと思います。 しかし、現状を考えると必ずしてもこのような考えが普遍的になっているわけでも ありませんし、判例(裁判所が過去に下した判決。裁判所は基本的に過去の判決と 矛盾する判断をしないので法律で規定するのと同じような効果があります)やRFC (インターネット上での標準を定めた文書。実際には勧告なので強制力はありませ んが)などで規定されているわけでもありません。  ですから、現状として特にリンクポリシーを掲げていない個人ページに対しては リンクを張ったときに事後でも連絡するのが礼儀ではないかと思いますし、リンク フリーを明示的に掲げることも必要ではないかと思います。 いっそのこと、RFCでリンク許可に関するタグ(HTMLで文字を修飾したり文書構造を 規定したりするための命令のようなもの)でも規定してくれると良いのではないか と思いますけどね。 ※ロボット型検索サイト(ソフトウェアで自動的にWebを巡回してサイトを自動登録  するタイプの検索サイト。googleやgooなどがこれに当たります)によるページ登  録を阻止するためのタグは一応あります ★★★★★★コラム★★★★★★  ここには基本的にメルマガ「インターネット哲学」とは関係のない、私自身の思 いついた哲学的/政治的/思想的なネタを書いて行きます。 ☆TV局には専属科学者/弁護士が必要か?  最近、あるある大辞典・特命リサーチ200X等のように科学的な情報番組が増えて います。 また、ジャッジ・行列の出来る法律相談所等のような法律番組もあります。  しかし、こういった番組の内容は偏っていたり、間違いがあったり、誤解を与え やすい内容だったりすることもしばしばです。 例えばマイナスイオン。 http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/MinusIonAgain.htm この辺りを一読していただけると解ると思いますが、かなりインチキに近い物のよ うです。 まあ、全く効果がないとは言わないものの、番組中での説明は素人を言いように騙 していると言っても過言ではないくらいの物です。  実際、あるあるなどでは良く実験をしていますが、対象が少なすぎたり他の影響 を排除していなかったりできちんとした実験になっていないのでは無いかと思われ ることもかなりあります。  この辺を私なりに考察すると 1.「TV番組として面白くするには多少意外性を持たせる必要があり、小さな違い  を誇張している 2.都合の悪い実験結果などを伏せる/軽視するような事が良くある 3.取材が偏っていて一人の専門家の意見を真実であるように伝えている 4.科学的な事象などを解りやすく説明しようとして嘘になってしまっていると言う ような部分が大きいのではないかと思います。  4以外はほとんど意図的に近い物で、マスコミとしてのTVの影響を理解してい るのか疑問に思えます。 もちろん、娯楽番組だからと割り切っているのかもしれませんが、見ている方はそ れが真実だと思っているわけですから、報道番組並には作成側も気を付けるべきで しょう。  では具体的にどうすればよいのかというと、一番簡単な方法は複数の専門家によ る検証を行うべきだという所に落ち着きます。 権威ある専門家の意見でも、それに反対する意見は大抵あるわけで、そう言う意見 もきちんと取材するとか、実験をするときは実験の方法や結果に対する考察をきち んと複数の専門家に検証して貰うと言うことです。  そして、これらのことを行うにはある程度専属の専門家が必要ではないかとも思 います。 もちろん、各方面(科学と一言で言ってもカテゴリは多数ありますし、法律でも民 事や刑事などありますので同じ事が言えるでしょう)の専門家を全て抱えることは 出来ないでしょうから、どこかの総合大学と提携するとかするのが望ましいと思い ます。 まあ、専門外とは言っても基礎的な知識がある人間なら簡単には騙されませんので、 科学者や法律家を数人抱えて置いて番組検証をさせるだけでも良いかもしれません。  とはいえ、現状はこのような機構になっていないことを視聴者がきちんと把握す べきです。 TVの言うこと、輝かしい肩書きのある専門家が言うこと、みのもんた(?)が言うこ とだからと全て無条件に信じるのではなく、一度眉につばを付けて考えてみること が必要だと思います。  結局、情報という物は何でも鵜呑みにする物ではなく、きちんとかみ砕いてしょうかしろと言うことで、前から私が言っていることと同じですね。 まあ、このメルマガの読者の方々なら心配はいらないとは思いますけどね。 ★★★★★★あとがき★★★★★★  最後まで読んでいただいてありがとうございます。 登録の解除は http://b-51.hp.infoseek.co.jp/magazine.html#philosophy の解除フォームを使うか http://www.mag2.com/ で本誌のID「0000087123」を検索して解除してください。 では、今後ともよろしくお願いいたします。 ************************************************************************** 発行者:b_51 発行システム:http://www.mag2.com/ マガジンID:0000087123 ご意見/ご感想などはお気軽に http://b-51.hp.infoseek.co.jp/ の「掲示板」か mailto:b_51_@anet.ne.jp へお願いします。 **************************************************************************