Re:「インターネット哲学」 2003/01/30臨時号 ※インターネット哲学の発行が停滞しているため今回も臨時号としてインターネッ ※ト哲学とは直接関係のない内容で発行します。ご容赦下さい。 ★★★★★★ご挨拶&お知らせ★★★★★★  皆様、こんにちは。 既に一月も後半なので年始の挨拶はやめておきます。  さて、本年最初の発行になりますが、本家のインターネット哲学が一向に発行さ れず、まぐまぐさんからも催促のメールが来てしまいましたので再び臨時号として コラムのみでの発行といたします。 どうかご容赦下さい。  それから、前号でWebページ移転のお知らせをしたばかりですが、今度はホスティ ング元(infoseek isweb)の都合でURLが変更になりました。 しばらくの間は今まで紹介していたアドレスでも転送されますが、もしブックマー クされていらっしゃる方やリンクを張っていただいている方がいらっしゃれば、ご 面倒をおかけしますが変更しておいて下さい。 新しいアドレスは以下の通りです。 http://b-51.hp.infoseek.co.jp/ mailto:b_51_@anet.ne.jp  なお、新規購読の方は後ろの方にこのマガジンの性格や注意事項などをまとめて ありますので必ず一度は目を通してくださいますよう、お願いいたします。 (中身は変わりませんので何度も読む必要はありません) ★★★★★★コラム★★★★★★ # ここには基本的にメルマガ「インターネット哲学」とは関係のない、私自身の #思いついた哲学的/政治的/思想的なネタを書いて行きます。 ☆ファイナルファンタジーXI  今回はちょっと趣向を変えてゲームのお話しです。 最近私はファイナルファンタジーXI(以降FF11)をやっています。 まだ始めたばかりに近いですがね。 ファイナルファンタジーシリーズはご存じの方も多いと思いますが、ドラゴンクエ スト(ドラクエ)と並ぶ国産RPG(ロールプレイングゲーム)の看板的存在です。 どちらかというとRPGの基本に忠実なドラクエシリーズと異なり、ファンタジー小 説のようなストーリー、独特の世界観、各種の特殊イベント、VII(7)以降では映画 のような3D-CGグラフィック(ムービー含む)が特徴です。  そして、今回紹介するFF11は今までのシリーズとは根本的に異なり、オンライン ゲームとなっています。 こういった形態のゲームのことをMMORPG=Massively Multiplayer Online RPG=多 人数参加型オンラインRPGといいます。 その名の通り、オンライン(多くの場合インターネット)を通じて多数のプレイヤー キャラクターが同じ世界に存在するタイプのRPGです。 FF11自体はPC(パソコン)とPS2(PlayStation2)版が出ていて、PS2ではHDD&通信 ユニットでネット接続してプレイします。  もちろん、複数のプレイヤーが同時参加するわけですから、普通のRPGと違って 「自分が主役」という訳にはいきません。 つまり、普通のRPGであればプレイヤーの行動によって時間が進行し、世界(シナ リオ)が流れてゆき、多くの場合はラスボスと呼ばれる最後の強大な敵を倒して一 件落着→エンディングとなる訳ですが、複数のプレイヤーが同時に参加している以 上そう言った流れでは進行できません。 映画やドラマの役者達のように、特定のプレイヤーが主役をやって他のプレイヤー は脇役に徹するのならこういった進行も可能でしょうが、それでは大多数の人は面 白くないですよね。  ですから、より現実世界に近く、各プレイヤーは他のプレイヤーとコミュニケー ション(他のプレイヤーと協力して一人では敵わない強いモンスターを倒すという ようなことも出来ますし、単純にチャットで会話することもできます)を取りつつ、 個々に与えられる使命などをこなしてゆくという方針になっています。※1 世界全体を貫いた大きなストーリーの流れというものは基本的に存在しません。 (FF11では一応そう言った全体ストーリーもあるのですが普通のRPGに比べればか なり希薄です)  ここまで読んで多数の方が思うことがあるでしょう。 そう、「システム側から提示される最終目標がないor希薄」なのです。 やることは主にレベル上げ(大多数の方はご存じだと思いますが、モンスターを倒 すなどすることでキャラクターが徐々に強くなっていくことです)や、個別に委託 される小さな使命(XXを取ってきてくれとか、XXを倒してくれとか)をクリア すること、金儲け(剣や鎧などの装備品などを売買するためにゲーム内でのお金が 必要)をすることくらいなのです。  まあ、趣味のスポーツみたいなものですね。 友達とスキーに行くような場合、大会で優勝するとか言う目的があるわけではなく、 主に練習して上達する過程やそれに付随するコミュニケーションなどを楽しむもの でしょう。 そのように普通のRPGとは趣向が異なることを理解してプレイしないとMMORPGは楽 しめないと思います。  ここまではゲームやシステムの紹介でしたが、私が実際にプレイして感じたこと なども書いておきます。 なんかゲームレビューのようになってしまいますが、ご容赦下さい。  FF11をやっていて(個人的にMMORPGはこれが初めてなので)一番感じることは複 数のプレイヤーが参加していると言うことは利点にも欠点にもなると言うことです。  利点はチームプレイスポーツをやるように対人コミュニケーションを取りながら 遊べる=コンピュータ相手と違って多様性が出て来るというところでしょう。 FF11にはありませんが、複数のパーティー(複数のプレイヤーが集まってチームを 組むようなものです)が試合をするような機能があるともっと盛り上がるかもしれ ません。  装備品やアイテムの売買などにしても、人対人のやりとりが出来ますから市場原 理なども出てきますので、そう言った社会の縮図的な楽しみ方も出来ますね。 実際、FF11では遠方の国から当地でしか手に入らないアイテムなどを運んで儲けを 得るようなことも行われています。  欠点は色々あります。  まず、普通のゲームであれば、現実世界の方で電話が掛かってきたり来客があっ たりすれば中断するなどできますが、MMORPGでパーティーを組んでいたりするとそ う簡単に抜けることが出来ませんし、戦闘中に一時停止なども出来ません。※2 ゲームが仮想空間上で行われている以上、実際に友達と集まってスキーに行くのと は異なり、現実世界での色々な妨害があり得ます。 この辺りは一番大きな問題でしょうね。  次に、仕事の都合などで短時間しか遊べないような場合はパーティーが組みづら いということがあります。 パーティーを組む主な目的は、自分一人では敵わない強い敵に対抗するためで、多 くの場合は1体のモンスターを倒してお終いという訳にはいきません。 ですから、パーティーに参加しても直ぐに抜けねばならないような状況では他のパー ティーメンバーに迷惑が掛かってしまいます。※3 FF11はレベルがある程度上がるにつれてソロ(単独で行動すること)ではまともに やっていられないような状況が多くなりますので、この辺は社会人にとっては辛い ところですね。 まあ、そもそもソロで一通りのことが出来てしまうようなシステムではMMORPGとし ての魅力が欠けてしまうと言うこともありますから、この辺りのバランスは非常に 難しいところだと思います。  後は、やはり全体としての最終目的みたいなものが無いと言うところでしょうか。 上で書いたように割り切って遊べばいいのですが、ある程度レベルが上がってしま えば同じことの繰り返しになるわけで、当然飽きが来るでしょう。 普通のRPGであれば、ラスボス倒してエンディングとなり、「クリア!」って感じ で満足して終われるわけですが、だんだんやることが無くなってきて飽きてきてや めるのではちょっと面白くないようにも思えてしまいます。 尻すぼみよりは大団円の方が面白いと感じるのは当然でしょうからね。  ちなみに、この点は実際の趣味スポーツなんかでも同じような側面があるんです が、MMORPGではゲームという性格上、より際だってしまいます。 ただ、この点は上でも書いたように格闘ゲームのようなプレイヤーパーティー同士 の対戦機能や、所属国(FF11では全てのユーザは仮想世界上の3つの国のどれかに 所属する)同士の戦争みたいなものがあればかなり変わってくるとは思います。 ※4  色々と書いてきましたが、普通のRPGもだんだんとマンネリ化してきて、似たよう なものがあふれかえってきている現在としては、MMORPGという方向はかなり発展の 余地があると思います。 色々と欠点はありますが、それらをうまく克服して、長所を伸ばしたシステム作り が出来ればかなり面白いものになるでしょう。 とはいえ、あまりに面白いと今度はそこから抜けられなくなる中毒者を出してしま いますから難しいところですがね。  最後に、余談みたいなものなんですが、FF11の名称設定について書きたいと思い ます。 個人的には、このゲームにファイナルファンタジーXIという名称を付けたのはどう かと思いますね。 FFシリーズの特徴として、ストーリーというものはかなり大きなファクターですの で、ファイナルファンタジータクティクス(FFの世界観を周到した戦術ゲーム)な どと同様に、ファイナルファンタジーオンラインとか、メインのFFシリーズとは別 の系統として出すべきだったのではなかったかと思います。 まあ、マーケティング上の問題なんでしょうが、車にしてもそうですが、どうも日 本のメーカーにはこういった部分に関するポリシーが足りないように感じてしまい ますね。 ※1 FF11ではシステム側から個々に提示される使命(ミッションやクエスト)は  複数のプレイヤーに同じものが要求されます。  もちろん、「XXを持ってきたら買い取るよ」みたいなものは良いのですが、  「XXの通路にモンスターがいて困っているから倒してくれ」みたいなものでも  複数のプレイヤーに同じ内容のものが提示されますので全体としては矛盾してい  ます。  とはいえ、こういったものが全くないとプレイヤーの動機付けが難しく間延びし  てしまうでしょうし、全てのプレイヤーに別々の使命を与えるのも無理があるで  しょうから仕方のない妥協点というところでしょうかね。 ※2 技術的に中断機能を設けることは可能でしょうが、局所的に時間を止めると  全体としての不整合が問題になるでしょうし、一人の都合で大勢の参加している  世界全体の時間を止めるのは現実的に不可能でしょう。 ※3 モンスターの中には近くのプレイヤーを襲うものも居ますので、例えば強い  モンスターがわんさかいるダンジョンの奥に行ったところで急にメンバーが抜け  て少なくなってしまったらそのパーティーはダンジョンから出ることすら難しく  なってしまいます。 ※4 なぜ、パーティーでの試合かというと、1対1での戦いではレベルや装備で  勝敗はほとんど決まってしまうからです。  パーティーなら各プレイヤーの役割分担やその辺をどこまでうまくこなすかなど  の戦術的要素で結果はかなり変わってくるでしょう。  それから、戦争機能についてですが、現在のFF11でも各プレイヤーが倒したモン  スターの数(正確には微妙に異なりますが)に応じて所属国の領土が増えたり減っ  たりするような機能は既にあるのですが、プレイヤーを軍隊のような組織に編成  して直接相手国のプレイヤー軍団と戦闘するなどの機能があるともっと盛り上が  るのではないかと言うことです。  こうなってくると戦略ゲーム的な要素も多分に出てきますね。 ★★★★★★新規登録の皆様へ★★★★★★  皆様始めまして。b_51と申します。  このマガジンは諸野脇正氏のメールマガジン「インターネット哲学【ネット社会 の謎を解く】」(マガジンID:0000075412、 登録アドレス:http://www.mag2.com/m/0000075412.htm)への返信という形態を採っ て氏の意見に対する個人的な見解などを書いて行きたいと思います。 一応引用の形である程度氏のマガジンの文章は含めますが、大規模に引用しても見 づらくなるだけですので最低限の引用しか行いません。 ですから、基本的には前記のマガジンも購読している方を対象とします。 と言うことで先に本マガジンを知った方は諸野脇正氏の「インターネット哲学」も ご購読してくださるようお願いいたします。  それから発行周期は基本的に元になる「インターネット哲学」に準じますが、特 に意見がない場合や私の個人的事情(本業が忙しいなど)によっては複数の号にま とめて意見する場合もあるでしょうし飛ぶ場合もあると思いますので、不定期発行 であることをあらかじめご了承下さい。  なお、このメルマガの内容は非営利目的(有料媒体でもそれが利益を上げること を目的としていないもの−例えば印刷や配布の手数料のみで販売しているようなも のは非営利と見なします)なら基本的に転載自由ですが、転載する際には記事の出 典を明確にしてください。 (このマガジンでの引用形態のような感じなら全く問題無しです) 営利目的の場合はケースバイケースですので必ず事前に連絡下さい。  最後にわざわざ断らなくてもお分かりだとは思いますが、このマガジンはあくま で私b_51が勝手に発行しているものですので、諸野脇正氏とは直接関係ありません。 ですので氏にこのマガジンについての問い合わせなどを送ることはおやめ下さい。 ※本マガジンの登録解除方法と私の連絡先などは最後に書いてあります。 ※なお、今回は臨時号のためインターネット哲学への返信ではなくなっています※ ※(今回はコラムのみです)                       ※ ★★★★★★あとがき★★★★★★  最後まで読んでいただいてありがとうございます。 登録の解除は 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