Re:「インターネット哲学」 2003/06/27号 ★★★★★★ご挨拶★★★★★★  みなさまこんにちは。  以前から何度かお知らせしていると思いますが、現在本業の方が非常に忙しく、 なかなか筆が進みません。 諸野脇氏と違って私は睡眠時間を削るとやっていけない質な物で(もう眠くなると ディスコのなかでも眠れます。いや比喩でなくマジに…)手持ちの時間自体が少な いと言うのもあるのですがね。 読者の皆様にはご迷惑をおかけしていますが、この状況はなかなか解消しそうにな いので(会社はリストラで慢性人手不足…)しばらくは発行が遅れたりすると思い ますがなにとぞご容赦下さい。  ちなみに、新規購読の方は後ろの方にこのマガジンの性格や注意事項などをまと めてありますので必ず一度は目を通してくださいますよう、お願いいたします。 (中身は変わりませんので何度も読む必要はありません) ※本マガジンの登録解除方法と私の連絡先などは最後に書いてあります ★★★Re:ヤワラちゃん・孫正義氏の〈集中〉に学べ&            インターネット50億人集中論★★★ #このブロックで引用マーク(>)が行頭に付いている部分は特にことわりがない限 #りメルマガ「インターネット哲学」からの引用です 今回はi哲学38号(2003/06/07)の『ヤワラちゃん・孫正義氏の〈集中〉に学べ』と 39号(2003/06/27)の二本に関しての意見をお送りいたします。 まとめてと言うことになりますが、双方とも大筋では同意見なので余り分量は多く ならないと思います。 ☆Re:ヤワラちゃん・孫正義氏の〈集中〉に学べ > 人間のエネルギーには限りがあるのである。そのエネルギーを複数に分散して >は、一つひとつにかけるエネルギーは少なくなる。それでは、どれも中途半端に >なり易い。  確かに、何か偉業を成し遂げるためにはかなりの〈集中〉が必要でしょう。 他のことには見向きもしないような。  しかし、これは一般向けではありません。 例えばヤワラちゃんのような柔道漬けの生活をしながら、子育ては出来ないでしょ う。 普通の人間は仕事をしながら家事や子育てなどをこなさなければなりません。 また、政治経済などにもある程度参加しなくてはなりません。 ですから、普通の一般人にはある程度〈分散〉が必要です。  そして、社会というのはこういった“一般人”が大多数を締めるからこそ成り立 つというのも重要なことです。 ヤワラちゃんや湯川博士や王貞治のような人ばかりの社会…では社会として成り立 ちません。 どちらが勝っていると言うことはないのです。 我々一般人もヤワラちゃんも社会にとっては必要な存在なのです。 > ADSLのサービス名に過ぎない「yahoo! BB」より、そのサービスをおこな >う会社名である「yahoo!」・「ソフトバンク」をスタジアム名にする方が自然で >ある。一般的である。  これはあくまで広告戦略上の問題であって、ヤワラちゃんの集中とはちょっと違 うように思います。 企業戦略として、何か特定の商品やサービスに経営資源を集中するという方法は一 般的ではないかと。 CM等で社名を宣伝する会社よりは特定商品を宣伝する会社が多いのと同じことで すね。 ☆Re:インターネット50億人集中論  こちらはほとんど同意見なので細かい突っ込みになることをご容赦下さい。 >┌──────────────────────────────────┐ >│ 〈耳フェチ〉の人がいるとしますよね。その人は、とにかく〈耳〉が好 │ >│きなんです。                            │ >│ そういう人が自分の住んでいる地域で仲間を見つけることは不可能に近 │ >│いです。いわゆる「現実世界」では不可能に近いです。         │ >│ でも、インターネットでは、それが可能なんです。インターネットでは │ >│〈耳フェチ〉コミュニティーだって作れるんです。           │ >│ インターネットと言えば〈耳フェチ〉なんですよ。          │ >└──────────────────────────────────┘ >  > これはインターネットの特徴を説明するための例えである。  氏の仰るように「人口集中により少数派でもコミュニティーを築ける」という点 は確かにありますが、この文章にはもう一つインターネットの重要な側面が含まれ ています。 それは“匿名性”です。 例えば、如何に大きな都市ですごい数の人間が集中していたとしても、リアルワー ルドではこういったいわゆる「恥ずかしい趣味」のコミュニティーは築きづらいで しょう。 作ったとしても、おおっぴらに宣伝しづらいでしょうし、新たに参加するのにも勇 気が必要です。  しかし、インターターネットの匿名性があれば、気軽にコミュニティーを作った り宣伝したり参加したり出来ます。  それから、インターネットの不利な点にも触れておきましょう。 それはあくまで仮想空間だと言うことです。 これは上記のような匿名性という恩恵ももたらしますが、実際に物品やサービスの 授受を行うことが困難であるということにも繋がります。  まあ、この点はオフ会などのように直接会う機会を設けるとか、宅配便などを利 用することで大分解決しますが、完全な解決は無理ですし、こういった手段をとれ ばその分仮想空間であるインターネットならではの利点は減少します。 オフ会=距離が問題になる/匿名性が無くなる 宅配便=金がかかる/時間がかかる/匿名性がある程度損なわれる(住所などがば     れる)/詐欺などの犯罪が発生しやすい > しかし、いずれネット配信が可能になる日が来る。そうなれば、『惑星ソラリ >ス』も「レンタル」できるだろう。もの凄い多様性がある世界が出現するのであ >る。  本題とは大きく外れますが、氏の口から(キーボードから?)「映画のレンタル」 という言葉が、それも「ネット配信」と絡めて語られるとは思いませんでした。 何故かというと、氏は以前から「コピーの容易なデジタルコンテンツで商売をする ことは不可能だ」と仰っておられましたので。 http://www.irev.org/tusin/mihon.htm  「いずれネット配信が可能になる日が来る。そうなれば、『惑星ソラリス』も “お茶の間で無料で視聴できる”ようになるだろう」が正しいのではないでしょう か。 ★★★★★★コラム★★★★★★  ここには基本的にメルマガ「インターネット哲学」とは関係のない、私自身の思 いついた哲学的/政治的/思想的なネタを書いて行きます。 ☆デフレスパイラルは悪者か?  昨今デフレスパイラルなどと言って、物価の下落を危ぶむ声が大きくなっていま す。 確かに現状の資本主義経済の元では物価が下がり続けることは大きな問題です。 ※詳しい解説などは専門家の解説を探して下さい  しかし、これはあくまでも「現状の資本主義経済」という前提があるからです。 メインコンテンツの方でもちょっと書きましたが、「情報/データを販売するよう な商売に先はない」と思われます。 情報を販売する商売というと、真っ先に思いつくのはマスコミ、音楽/映画業界等 でしょうか。 しかし、その他にもソフトウェア業界なんかも入りますし、製造業のうち特許で保 護された技術で儲けを出しているところも似たような物です。 また、別の側面からみるとロボットなどで自動化されれば単純作業の大半は人間の 手を必要としなくなります。  こうなってくると、資本主義は成り立ちません。 金を稼げるような仕事は、サービス業の一部とか、研究職/芸術家くらいになって しまいます。 と言うわけで、結局のところ技術が進歩すればするほどに資本主義の根底は揺らい でいきます。 デフレスパイラルは一時的に止めることは出来ても、結局のところ大局として止め ることは出来ないでしょう。  では、どうしましょうか? 積極的にデフレスパイラルに呑まれてしまいましょう。 企業は成長する必要があるのか?給料が上がる必要はあるのか?を考えてみてくだ さい。いずれも、絶対に必要だと言うことはありません。 企業自体は無くても良いですし、給料だって生活水準が下がらなければ無くたって 構わないものです。 つまり、生活必需品が無料で提供されてるなら、給料なんて無くて良いのです。  まあ、これは極論ですが、基本的な考えはこの通りです。 自動化が行き着くところまで行き着いて、資源/エネルギーが無償で採取可能にな れば(誰かが所有権を主張しなければ元々無料です)大半の物は無償で提供できる ようになるはずです。 そうなったら人間は趣味として仕事をすればよいことになります。  それでは発展が見込めないという意見もあるでしょうが、オープンソースソフト のコミュニティーを考えてみてください。 彼らは無償にもかかわらず(一部それ自体で対価をもらっている人もいますが)、 精力的に活動していますし、技術的には最先端を行っている部分も多分にあります。  彼らを突き動かすのは名誉とか名声とかでしょうかね。 人間誰しも人から認められ、誉められるのは嬉しい物ですから、他にやることがな ければそう言った活動に従事するようになるのは自然な流れでしょう。  さあ、貴方も今日からはデフレスパイラルの行き着く先を思い描いてニュースを 視てみましょう。 きっと世界が違って見えますよ^^ ★★★★★★新規登録の皆様へ★★★★★★  このマガジンは諸野脇正氏のメールマガジン「インターネット哲学【ネット社会 の謎を解く】」(マガジンID:0000075412、 登録アドレス:http://www.mag2.com/m/0000075412.htm)への返信という形態を採っ て氏の意見に対する個人的な見解などを書いて行きたいと思います。 一応引用の形である程度氏のマガジンの文章は含めますが、大規模に引用しても見 づらくなるだけですので最低限の引用しか行いません。 ですから、基本的には前記のマガジンも購読している方を対象とします。 と言うことで先に本マガジンを知った方は諸野脇正氏の「インターネット哲学」も ご購読してくださるようお願いいたします。  それから発行周期は基本的に元になる「インターネット哲学」に準じますが、特 に意見がない場合や私の個人的事情(本業が忙しいなど)によっては複数の号にま とめて意見する場合もあるでしょうし意見しない場合もあると思いますので、不定 期発行であることをあらかじめご了承下さい。  なお、このメルマガの内容は非営利目的(有料媒体でもそれが利益を上げること を目的としていないもの−例えば印刷や配布の手数料のみで販売しているようなも のは非営利と見なします)なら基本的に転載自由ですが、転載する際には記事の出 典を明確にしてください。 (このマガジンでの引用形態のような感じなら全く問題無しです) 営利目的の場合はケースバイケースですので必ず事前に連絡下さい。  最後にわざわざ断らなくてもお分かりだとは思いますが、このマガジンはあくま で私b_51が勝手に発行しているものですので、諸野脇正氏とは直接関係ありません。 ですので氏にこのマガジンについての問い合わせなどを送ることはおやめ下さい。 ★★★★★★あとがき★★★★★★  最後まで読んでいただいてありがとうございます。 登録の解除は http://b-51.hp.infoseek.co.jp/magazine.html#philosophy の解除フォームを使うか http://www.mag2.com/ で本誌のID「0000087123」を検索して解除してください。 では、今後ともよろしくお願いいたします。 ************************************************************************** 発行者:b_51 発行システム:http://www.mag2.com/ マガジンID:0000087123 ご意見/ご感想などはお気軽に http://b-51.hp.infoseek.co.jp/ の「掲示板」か mailto:b_51_@anet.ne.jp へお願いします。 **************************************************************************