Re:「インターネット哲学」 2004/07/09号 ★★★★★★ご挨拶★★★★★★  みなさま大変ご無沙汰しております^^;  実は、今年の4月で転職しまして、いろいろと忙しい生活を送っております。 さらに身内に不幸があったりでてんやわんやで… 諸野脇先生のご多忙で発行に追われることがなくてちょっとほっとしていたり^^;  先に謝っておきますが、もしi哲学の発行間隔が正常に戻るとたぶん原状では ついて行けません。 そうなったときは、特に関心の高い号だけに発行することになると思いますので あらかじめご了承くださいm(_ _)m  ちなみに、新規購読の方は後ろの方にこのマガジンの性格や注意事項などをまと めてありますので必ず一度は目を通してくださいますよう、お願いいたします。 (中身は変わりませんので何度も読む必要はありません) ※本マガジンの登録解除方法と私の連絡先などは最後に書いてあります ★★★Re:グーグルから熟女マニアが殺到?★★★ #このブロックで引用マーク(>)が行頭に付いている部分は特にことわりがない限 #りメルマガ「インターネット哲学」からの引用です 今回はi哲学050号(2004/07/08)の『グーグルから熟女マニアが殺到?』に関して の意見をお送りいたします。  今回は氏の主張に異論なしです。 ですので、ちょっと補足的な考察を書かせていただきます。 > 結局のところ、インターネット上の情報は人間が整理するしかない。精度を高 >めるためには人間が整理するしかない。  現状ではそのとおりだと思います。 しかし、将来的にはこういったこともある程度機械でやれるようにはなってくるで しょう。 いわゆるAIというやつですね。  ですが、AIといってもいろいろ種類があります。 大きく分けるとエキスパートシステム系とニューロシステム系です。  前者は、とどのつまり条件分岐の羅列に過ぎず、人間が行う思考を文章で表現し てそれをコンピュータ上に再現するというものです。 適用分野は機械の操作や経路探索などで、画像から意味を読み取るとか、文章の微 妙な表現から筆者の思惑を理解するなどには向きません。※1  後者は生物脳の神経回路を模擬する方法で、パターン認識など生物の得意とする ことをうまく模倣できるのではないかといわれています。※2  とはいえ、こちらはまだまだ研究途上ですね。 生物の何億という神経細胞ネットワークを模擬するにはまだまだ難しいものがあり ますし、ネットワークの繋がりをうまくやらないと(生物は主に学習としてこれを 行って行きます)期待する結果は得られません。  さらに、生物脳は単に神経細胞ネットワークのみでものを思考するわけではなく、 単一の神経細胞内での量子的働きも重要な役割を果たしているとする説もあります。 ※3 もし、そういった説が事実なら問題はさらに複雑になりますからね。  こういった問題点をうまく克服して、ニューロシステムが実用的になった暁には、 人間にしかできない作業も大部分は自動化できるかもしれません。 まあ、それはそれでまた新たなる社会問題にも発展しかねませんが。 ※1 現状の自動翻訳を試した方は、結構期待はずれだったと思ったのではないで  しょうか?  自動翻訳は基本的にエキスパートシステムの系統になります。  これがいまいちうまく動かないのは、文章を文法に従って翻訳するだけだからで  しょう。  もっと人間の通訳がやるように、精度の高い翻訳を行わせるには、さまざまな知  識と文章の隠れた意味を汲み取るような能力が必要になるのです。  とはいえ、エキスパートシステムベースでも、ファジー理論などを組み込んだし  て発展はしてきていますので、今後いろいろな研究がなされてゆけば、性能が向  上してゆく可能性は十分ありますけどね。 ※2 当然「間違えることがある」という特徴も一緒に実現してしまうことになり  ます。  ですから、故障やバグでもない限り間違えることのない、通常のコンピュータと  相互に機能を補う形で運用されることになるのでしょう。 ※3 例えば、ゾウリムシやアメーバなどの単細胞生物は単細胞なのですから当然  「神経細胞ネットワーク」を持っていません。  でも、彼らは能動的にえさを捕まえたりすることができます。  人間をはじめとする、多細胞生物だって結局は単細胞生物から進化したわけです  から、そういう意味では神経細胞単体でもある種の「思考能力」があると考えら  れるというわけです。 ★★★★★★コラム★★★★★★  ここには基本的にメルマガ「インターネット哲学」とは関係のない、私自身の思 いついた哲学的/政治的/思想的なネタを書いて行きます。 ☆「死」を考える  冒頭でも書きましたが、先日身内に不幸がありました。 正確に言うと、義父が亡くなりました。 やはり、親しい人間がなくなるのは非常に悲しいものです。 特に妻にとっては実の父親ですから、その精神的ショックは非常に大きなものでし た。 そんな中、妻が「結局人間は死ぬために生きてるのかな。死んだら何も残らないの かな」と言う様な事を言ったので、それに対する考察です。  人は、死の恐怖から逃れるため、また愛するものを失った悲しみから逃れるため に、宗教というものを生み出しました。 どんな宗教でも、基本はそこにあると思います。 葬式を行わない宗教はないですよね。  キリスト教では、故人は神の元に召され、永遠に神の国の住人になるという考え 方をしています。 仏教では輪廻転生という考え方です。 こういった考え方は、死しても魂はなくならず、お終いではないのだとして、死の 恐怖を軽減し、悲しみを和らげる働きが確かにあると思います。  しかし、それらはあくまでまやかしですし、行過ぎれば「死を恐れない」ことに も繋がり、さらには生命の軽視にもなってしまいます。  幸い、私たちは十分な教育を受けて、生命の危機に常に直面していなくてもよい という環境にあります。 昔からある、「死」をごまかすまやかしではなく、それをきちんと考えて理解する ことができる環境にあると思うのです。 というわけで、死について考えて見ましょう。  まず、「死」を考えるということは「生」を考えるということです。 なぜ、何のために生きているのかということを考えましょう。  人間として考えると、生の目的や理由はいろいろと出てきます。 しかし、生物全般について考えてみてください。 ゾウリムシやミジンコだって生物です。もちろん植物も細菌だってそうですね。 彼らの一番の目的は何でしょうか? それは、「生きること」です。 つまり、生きること自体が目的なんです。 もうひとつの大きな目的は(寿命に限りがあるので)「子孫を残すこと」ですね。  これらを端的に言うと「DNA」の保持になります。 単純すぎてピンと来ないかもしれませんが、人間だって基本はこれなんです。 つまり、できるだけ生き延びる。 そして子孫を作り、子孫がさらに子孫を残せるように努力すること。 それが、一番の命題です。  では、子供ができない人/作れない人には生きる価値がないのか?というとそん なことはありません。  子供だって、自分のコピーではありません。 夫婦の遺伝子が混ざったものです。 なぜ、こうなったのかを考えてください。  コピーでは何らかの環境の変化に、その固体が対応できないと、他の固体も対応 できない可能性が高いので全滅する危険が高まります。 ですが、コピーではなく混ざり気を加えることで多様性が生まれ、一部が壊滅して も全滅しないということが可能になるからです。 これは、「マクロの視点で見たDNAの保持」です。 つまり、種としての生存を優先させた結果です。  ですから、自分に子供ができない/作れないとしても、種としての人間の保全に 寄与できるなら、それでも十分に生物としての目的は達成できているのです 特に人間というのは、社会を形成し役割分担を行うことで、効率よく生存できるよ うになった生物ですから、社会として役に立つことを行うなら、それだけで生きて いる価値がるのです。※  上記を踏まえて「死」を考えて見ましょう。 結局のところ、「死」はやはり個にとっての終わりです。 そこで何もかもなくなってしまいます。 それは仕方のないことでしょう。  ですが、生きてきた間に子孫を残すなり、仕事を通して社会に貢献したり、はた また周囲の人間と暖かい思い出を築いただけでも、その人の何かは社会に残ってい きます。 個としては失われても、多(マクロ)の中には生き続けるのです。 神や仏が居なくとも、極楽浄土や輪廻転生がなくとも、死はすべての終わりではな いのです。 …というわけで、お義父さん。 貴方は、たくさんの子孫を設け、またいろいろなものを私たちに残してくれました。 貴方の分身は立派に生き続けていますよ。 安らかにお眠りください。 最後になりましたが、亡き義父の冥福を祈ります。 ※どんな仕事であっても給料が支払われているということは、誰かの役には立って  いるのです。  役に立っていないなら、給料なんて支払わないですからね。  もちろん、ボランティアなど無給のものでも社会の役に立っているものはたくさ  んあります。 ★★★★★★新規登録の皆様へ★★★★★★  このマガジンは諸野脇正氏のメールマガジン「インターネット哲学【ネット社会 の謎を解く】」(マガジンID:0000075412、 登録アドレス:http://www.mag2.com/m/0000075412.htm)への返信という形態を採っ て氏の意見に対する個人的な見解などを書いて行きたいと思います。 一応引用の形である程度氏のマガジンの文章は含めますが、大規模に引用しても見 づらくなるだけですので最低限の引用しか行いません。 ですから、基本的には前記のマガジンも購読している方を対象とします。 と言うことで先に本マガジンを知った方は諸野脇正氏の「インターネット哲学」も ご購読してくださるようお願いいたします。  それから発行周期は基本的に元になる「インターネット哲学」に準じますが、特 に意見がない場合や私の個人的事情(本業が忙しいなど)によっては複数の号にま とめて意見する場合もあるでしょうし意見しない場合もあると思いますので、不定 期発行であることをあらかじめご了承下さい。  なお、このメルマガの内容は非営利目的(有料媒体でもそれが利益を上げること を目的としていないもの−例えば印刷や配布の手数料のみで販売しているようなも のは非営利と見なします)なら基本的に転載自由ですが、転載する際には記事の出 典を明確にしてください。 (このマガジンでの引用形態のような感じなら全く問題無しです) 営利目的の場合はケースバイケースですので必ず事前に連絡下さい。  最後にわざわざ断らなくてもお分かりだとは思いますが、このマガジンはあくま で私b_51が勝手に発行しているものですので、諸野脇正氏とは直接関係ありません。 ですので氏にこのマガジンについての問い合わせなどを送ることはおやめ下さい。 ★★★★★★あとがき★★★★★★  最後まで読んでいただいてありがとうございます。 また、諸野脇先生には度々紹介していただいて嬉しい限りです。 #それなのにちっとも購読者数が増えないのはひとえに文才のなさですかね… この場を借りてお礼を言わせていただきます。 登録の解除は http://b-51.hp.infoseek.co.jp/magazine.html#philosophy の解除フォームを使うか http://www.mag2.com/ で本誌のID「0000087123」を検索して解除してください。 では、今後ともよろしくお願いいたします。 ************************************************************************** 発行者:b_51 発行システム:http://www.mag2.com/ マガジンID:0000087123 ご意見/ご感想などはお気軽に http://b-51.hp.infoseek.co.jp/ の「掲示板」か mailto:b_51_@anet.ne.jp へお願いします。 **************************************************************************